資格合格コラム｜単なる詳しい人になるか、社会保険労務士になるか、それは紙一重かもしれない

最終更新日：2016年9月24日

先日、第48回社会保険労務士試験が終了しました。社会保険労務士試験においては、「数点足らずで何年も合格できずにいる受験生」が本当に数多くいらっしゃいます。特に「択一は余裕、でも選択で1、2点足らず」など、合格者とさほど違わぬ実力を持っているにもかかわらず、毎年選択に泣かされるというケースが実に多いのです。

不合格だった場合、来年に向けてまた1年間の受験勉強が始まります。「あと数点なら、次は絶対合格出来るよ」周囲はそんな風に慰め、励ましてくれますが、悔しい経験が何度も続くと徐々に合格のイメージが描けなくなってくるものです。

また、受験勉強を続けることで少なからず犠牲にすることもあるでしょう。仕事、趣味、家族や友人との時間…どれもかけがえのないもの。しかしながら、受験勉強があることで、こうしたことに費やせる時間は減らさざるを得ません。

受験生は皆、限られた時間の中で何とか学習時間を捻出し、本試験に臨んでいます。年に一度の試験にかける想いが強いからこそ「番狂わせ」があると、一層「自分は永遠に合格しないかもしれない」と悲観的になってしまうのです。

努力が報われない試験、社会保険労務士試験は時にそう揶揄されますが「本当にその通り！」と感じられることもあります。

長年試験を受験し続けていると、やはり「もうそろそろ継続は難しいかな」と思われる瞬間というのは何度も訪れるものです。家庭の事情や仕事の都合により、実際に数多くの受験生が、合格に近い場所にいながら受験を断念しているという現実があります。

しかしながら、本当にそれでよいのでしょうか。受験を諦めれば、どんなに知識があったとしてもただの「詳しい人」止まり。これまで何のために辛い受験勉強を続けてきたのか分かりません。

一方で、何年かかろうが合格し、登録すれば「社会保険労務士」です。それまでの道のりは長かったとしても、晴れて一人前のプロとして認められるわけです。不合格者も合格者も、知識量としては紙一重。そんなことが起こりえるのが、社会保険労務士試験だと思います。

一度や二度で合格できなくとも、続けていれば報われることもある。それまで挑戦し続けられるかどうかが、運命の分かれ道となるのではないでしょうか。長い人生ですから、誰にだっていろいろあります。しかし、自分がこだわって続けてきたものに対しほんの少しでも「やりたい」気持ちがあるのであれば、まだ諦めるべきではありません。

必ずしも毎年受験できなくとも、勉強を続けていれば再び挑戦することができます。焦りやプレッシャーはあるでしょう。試験に対する苛立ちも感じられるでしょう。しかしながら、あまり深刻になり過ぎては苦しくなるだけです。必要以上に身構えず、肩の力を抜いてまたゆっくりとでも、始められてみてはいかがでしょうか。

「続けて良かった」そう思える日は、そう遠くないかもしれません。

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